いろいろ用がありまして、この週末は山ではなく東京へ行ってきました。
やらなきゃいけない仕事が土曜日に完了したので、日曜日は自由行動となりました。
そんなわけで、今回は、なぜか国会議事堂の中へ入ってみました。
日曜でもやっている無料国会議事堂見学ツアー(衆議院)
国権の最高機関、国会。
永田町にそびえたつ国会議事堂は、まさに永田町の主峰です。実際の高さは65.45メートルなんですけれども。
国会議事堂は、昭和初期の時代の日本の総力が注ぎ込まれて作られた日本を代表する建築物です。
ここで国会議事堂のスペックをチェックしておきましょう。
建物面積 13356平方メートル(のべ53464平方メートル)
長さ 幅206.36メートル 奥行88.63メートル
高さ 20.91メートル 中央塔 65.45メートル
インドにあるイスラム建築の最高傑作であるタジマハールの高さが73メートルなんで、それよりちょっと低い感じの建物です。
でも、中心線で左右完全なシンメトリーな構造になっているのでタジマハール仲間の気が満ちています。
これがタジマハール。実はお墓です。
こっちが国会議事堂。
かのタジマハールの本体工事には17年間の歳月がかけられていますが(付帯施設の工事を入れると21年間)、それと同じ17年の時間を投入して完成したのが国会議事堂です。
この国会議事堂、実は、タダで見学できるんですけれども、奥さん、知ってました?
とりあえず、国会議事堂へ行ってみよう
1月のとある日曜日。朝から晴れていい天気でした。
今回、我々日帰り登山部は、とりあえず、永田町や霞ケ関界隈をウォーキングするつもりで出かけたのです。
降り立った駅は、地下鉄「丸の内線」の国会議事堂前駅。
首相官邸を横目に見つつ、国会議事堂へ向かいました。
高い塀に囲われた建物の周囲にはパトカーやバスなどの警察車両が何台も止まっています。
んで、要所要所に武装警官が警棒を持って立っています。
塀の中をのぞいてみると、いかにも観光客な集団が制服制帽の衛視さんに率いられてぞろぞろ歩いているのが見えました。
国会議事堂見学ツアーがあるらしいことに気付いた日帰り登山部員が、近くに建っていたお巡りさんに尋ねてみると、衆議院なら日曜日でも見学可能で、当日の申し込みでも見学できることを教えてくれました。
それならばと、見学申し込みをしてみたのでした。
無料国会議事堂見学ツアー(衆議院)への参加方法
普通、お役所は日曜はお休みなわけですが、国会議事堂の正面から見て左半分、衆議院は日曜でも見学可能です。
さすが、みんなの代表、衆議院です。
ちなみにもう半分の参議院の見学スケジュールは、月曜日から金曜日まで(土、日、休日、年末年始は休み)です。
参議院は昔でゆーところの貴族院ですので、21世紀にもそれをひきずっているのでしょうか。
よくわかりませんけれども、同じ国会議事堂なのに、衆議院と参議院で完全に別々に運営されているところが興味深いですね。
んで、みんなの衆議院の見学ツアーの時間はこんな感じです。
国会参観(衆議院)の手続き
1 参観時間
平日 9時~17時(16時までに受付を終了してください。)
土曜日・日曜日及び休日 午前・午後それぞれ3回
午前 9時30分、10時30分、11時30分
午後 1時、2時、3時
なお、本会議開会前1時間及び本会議開会中は、参観はできません。また、特別な事象があるときは、参観コースの変更若しくは参観ができないこともあります。
見学にかかる時間は約1時間とのことです。
我々日帰り登山部が受付に着いたのは12時半すぎでしたので、午後1時からの参観に申し込むことにしました。
日曜日の受付入り口はここです。
受付に用意されている紙に、代表者の住所氏名電話番号を書きます。
▲申込書
『国会 衆議院へようこそ』というパンフレットを人数分受け取ります。
これを所持していることが受付済みの証拠になるようです。
待合室には自動販売機(まちなかの自販機より安い)もあるしトイレもあります。
約1時間の見学の間はトイレへ行けませんので、必ずトイレは済ませておきましょう。
国会議事堂衆議院見学ツアー開始
時間になると代表者の名前が呼ばれるので、指示に従ってパンフレットを手に2列に整列します。
衛視さんによる金属探知機の検査と手荷物検査が行われます。
衛視さんというのは、国会で乱闘があったりしたときに止めに入る制服制帽のあの人たちです。
国会議事堂の敷地の外は警察によって警備されていますが、警察は行政権の一部なので、律法府の中枢である国会の中で警備するのはダメじゃねってことで、国会は、衆議院、参議院、それぞれが自前の警備する組織を持っているのです。それが衛視であり、試験で採用されます。
ちなみに2次試験ではこんな基準があるようです。
※衛視試験の身体検査(第2次試験)において、下記のいずれかの要件を満たさない者については、 それを理由に不合格とする場合があります。
身長:男子160cm以上、女子154cm以上
視力:裸眼視力0.6以上又は矯正視力1.0以上
色覚及び聴力が衛視としての職務の執行に支障がないこと
衛視としての職務の執行に支障のある疾患がないこと
我々が参加した見学ツアーの参加者は20人程度でしたが、そこに衛視さんが1人ついて、案内をしながら国会議事堂の衆議院エリアを回って説明してくれます。
基本的に建物内は撮影が禁止されていますが、衆議院議場(本会議が開かれるところ)だけは自由に撮影が許されていて、ここだけは写真が撮り放題です。
議場で目立つのは天皇陛下がお座りになるところ、御座所。
ちなみに、写真撮影は国会議事堂前の広場でも許されて、国会議事堂をバックに記念撮影ができます。
写真は、今回案内していただいた衛視さんです。
終始やわらかな物腰と話し方でさわやかな印象を受けました。
国会議事堂の本会議場のあれこれ
撮影が許された議場の天井は、ステンドグラスになっています。
英国製だそうです。
国会議事堂のステンドグラスは日本製ですね。
材料は外国製ですが、日本人がデザインして組み立てたので日本製だと思います。
ご指摘ありがとうございました。
望遠モードでステンドグラスによってみます。
見学者が案内されるのは傍聴席で、最前列は記者席になっていて、機材が置かれたままになっています。
もういちど、御座所を見てみましょう。
御座所には美しい彫刻が施されていて、鳳凰が見えます。
議場の照明はこんな感じです。
見学ツアーの見どころ
基本的に写真撮影が許されない国会議事堂の中ですが、本会議場のほかにも見どころが盛りだくさんです。
国会議事堂の外側は花崗岩で作られていますが、内部にはいろんな種類の大理石がふんだんに使われていて、床に施されたモザイクにも目を奪われます。
こんな研究論文がありました。
国会議事堂に使われているゴージャスな大理石について詳しく解説されている文書です。
『徳島県産国会議事堂大理石の研究-その 3.衆参両院における石材使用の比較』
本会議場のあとは、国会議事堂の中央にある天皇陛下の専用の部屋「御休所」へ向かいます。
部屋のなかまでは入れませんが、入口から中をのぞけるようになっています。
天井は豪華な格天井。壁にもゴージャスな装飾が施されています。
また、御休所の入り口は巨大な1枚岩をくり抜いて作ってあります。
その天皇陛下のお部屋の正面が、国会議事堂の正門になります。
んで、説明によればこの正門が開くのは以下の3つのケースに限られるのだそうです。
・天皇陛下がいらっしゃったとき
・国外の来賓がいらっしゃったとき
・衆参議員の選挙後の初めての国会が開かれたとき
正門を入ると、国会議事堂の中央広間に出るのですが、見学コースではその中央広間を3階から見下ろすことができます。
中央広間は2階から6階まで吹き抜けになった巨大な空間です。
衛視さんの説明によれば、あの法隆寺の五重の塔がすっぽり入るほどのスペースなんだそうです。天井と窓にはイギリス製のステンドグラスがはめ込まれ、壁には日本の四季を表す壁画が描かれています。
この中央広間の天井のステンドグラスは暗くてよく見えませんでしたが、正門が開くときはステンドグラス上部のライトが点灯されるとのことです。
この中央広間の天井のステンドグラスのさらに上には、じつはダンスホールがあるのですと衛視さんが教えてくれました。
検索してみたら、都市伝説がヒットしました。本当ですかね?
中央広間の電灯は上向きになっていて、天井のステンドグラスの上の電灯がともると、ほとんど影ができない空間になるんだそうです。
天皇陛下がいらしゃったとき、影ができないようにするための配慮だそうです。
なお、衆議院と参議院の真ん中にあたる中央部分は参議院が管理しているんだそうです。
国会議事堂はほぼ日本の国で産したもので作られていますが、郵便シューターとカギ(マスターキー方式)とステンドグラスの3つは国外製だそうです。
郵便シューターとカギはアメリカ製、ステンドグラスはイギリス製です。
国会議事堂の廊下からは議事堂の中にある池も見ることができて、そこには立派な錦鯉が泳いでいました。
馬車も入れる巨大な門も見ることができます。
議事堂内部のコースが終わると、外に出ます。
いろんな植物も植えられています。
国会議事堂の正門側にある銀杏の木が巨大ですばらしかったです。
私たちが訪れたときは1月なので完全に葉を落としていましたが、それだからこそ、圧倒的な枝ぶりを見せてもらえました。
そんなわけで、国会議事堂見学ツアー。
これはお得なツアーでした。
機会があれば、参議院の見学ツアーにも参加してみたいと思います。