【注意】
この記事は、本白根山で噴火が起きる前年(2017年)の7月に書かれたものです。
日本百名山。そのなかでもお手軽に登れる山といえば、本白根山(もとしらねさん、標高2,171m、別名:草津白根山)があげられます。
「白根山」という名称の山は、日光にもありまして、日光のほうは日光白根山と呼ばれます。
本白根山はお手軽に登れるのに、その標高は2000m越えで、ダイナミックな火山の風景やコマクサをはじめとした高山植物を楽しむことができます。
ただ厳密にいうと、本白根山の山頂付近は硫化水素ガスのために現在立ち入り禁止なため、実際に到達できるのは山頂の手前の探勝歩道最高地点(2150m)と呼ばれる場所になります。
そもそも、本白根山の山頂へ到達できる登山道がないっていう話です。
山頂直下に三角点(2165m)もありますが、ここも現在は立ち入り禁止区域になっています。
本白根山に登るにはいくつかルートがありますが、ここでは、お手軽ルートを2つ紹介します。
1つは白根火山ロープウェイを利用する方法、もう1つは国道292号上にある草津白根レストハウスから登る方法です。
白根火山ロープウェイで本白根山に登る
白根火山ロープウェイは草津国際スキー場にあります。
ロープウェイは全長2407m、乗員数は6名、片道13分で、営業時間は9:00-16:20です。
普通乗車券は大人片道900円、往復1500円です。
冬はこんな感じのスキー場です。
ロープウェイ山頂駅にはレストランとトイレがあります。
基本的に、ハイキングコースの中ではここにしかトイレはありません(国道292号まで出れば草津白根レストハウスにトイレがあります)。
山頂駅には、草津温泉街を見晴らせる展望テラスがあります。
山頂駅から数分で、全長327mの本白根コマクサリフトがあり、これにのればいっきに見晴台まで登ることが可能です。
この見晴台からは白根山や横手山を一望することができます。
この見晴台から、中央火口の周回コースに入ります。反時計周り方向にすすみます。
地図です。
整備されたゆるい登りの登山道を歩いていくと、本白根山の中央火口に到達します。
道はこんな感じです。
時期があえば、火口周辺にはコマクサが見られます。
6月の下旬から8月上旬がコマクサのシーズンです。
周回コースから分岐し、探勝歩道最高地点(2150m)を目指します。
探勝歩道最高地点への道からは、晴れていれば、富士山、浅間山も見ることができます。
探勝歩道最高地点にたどり着いたらそこから周回コースに引き返し、巨大な岩を見ながら標高2145mの展望所を目指します。
この展望所からは360度のパノラマが楽しめます。
この展望所を終点として、それまで来た道を引き返すのもアリですが、このまま周回コースを反時計まわりにすすめば、鏡池に寄って、火口を1周するかたちでロープウェイ山頂駅に戻ることができます。
鏡池に寄るには、周回コースからいったん外れて降りる必要がありますが、すぐそこです。ほんとすぐそこなんで、寄らないと損です。
これが鏡池です。
池には妙なモノも。
以上の周回コースで、所要時間は1時間50分、距離は6.5Kmほどです。
木道が整備されたコースになっています。
帰りは、ロープウェイを使わないコースも選択できます。
富貴原の池分岐をそのまま進み、殺生河原に向かって下るコースです。
富貴原の池を通過すると、どんどん高度が下がっていきます。
殺生河原では、そこらじゅうから硫化水素が噴き出していますので、足早にすすめば、山麓駅に到着します。
草津白根レストハウスから本白根山に登り、白根山の湯釜も見るコース
本白根山に登るもう1つのルートです。
草津方面から国道292号を進むと、草津国際スキー場に至り、ロープウェイの山麓駅に到着します。
先に紹介したロープウェイを使うルートの場合はここが出発地点になりますが、今回は、その山麓駅を横目でみつつ、そのまま292号をクネクネと登っていきます。
周囲には硫化水素の臭いがたちこめています。
んでどんどん標高を上げていくと、草津白根レストハウスに至ります。
駐車場は有料です。乗用車で500円です。
ここには整備されたトイレとビジターセンターがあります。
こっちがトイレ。
2014年6月3日18時に、気象庁は草津白根山の噴火警戒レベルを1(平常)から、2(火口周辺規制)に引上げました。
これに伴って、草津白根山火口湖を中心とした半径1km圏内の滞留が禁止され、この白根山駐車場も閉鎖され、白根レストハウスも休業になっていたんですが、2017年の6月7日14時00分に噴火予報が発表され、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げられたんで、現在はOKなんざんす。
ただ、白根山の湯釜火口及び水釜火口周辺の熱活動の高まったままなので、湯釜火口への立ち入りは禁止されたままです。
追記
2018年1月23日午前、立ち入り禁止区域ではなかった鏡池付近で突如噴火が起こりました。気象庁は、噴火警戒レベルを「入山規制」を示すレベル3に引き上げました。
んで、この草津白根レストハウスにはシーズンともなれば大型バスが何台もとまり大勢の観光客で溢れます。
登山の恰好をしなくても、この草津白根レストハウスから舗装された登り道を行けば、白根山の湯釜を見ることができます(湯釜西側展望台)。
最初に湯釜を見に行ってもいいですが、今回は、まず、ここから道路を横断してあっち側に行き、弓池を見てみましょう。
本白根山の周回コースに入ります。
コース図です。
まずは、本白根コマクサリフトを目指します。
弓池を右手に見る舗装道路をそのまま進んでも行けますし、逢の峰を越えるルートでも行けます。
この階段が、逢の峰への道の入り口です。
本白根コマクサリフトに乗ってもいいですが、そのリフトの脇から周回コースの歩道に入ることができます。
実に整備された歩道です。
そのまますすめば、「白根火山ロープウェイで本白根山に登る」で紹介した周回コースを楽しんで、草津白根レストハウスに戻ってくることができます。
季節があえば、イワカガミが出迎えてくれます。
草津白根レストハウスから舗装された登り道をいけば白根山の湯釜を遠望する湯釜西側展望台へ行くことができます。
この道は観光バスでやってきた一般旅行者でも行ける道になっていますが、けっこうな斜度なので、普段運動をしていないひとには辛いモンがあるかもしれません。
もしもの噴火に備えたシェルターもあります。
雷には注意です。
この建物もシェルターです。
このシェルターを通り過ぎれば、展望台までもう少しです。
エメラルド色の湯釜を見ることができれば、辛さも吹っ飛びますね。
ただ、天気が悪いと湯釜は雲に隠れてしまって観ることができません。
湯釜西側展望台よりも、もっと近くから湯釜を眺められる「湯釜展望台」もあるんですが、そこは現在は立ち入り禁止区域になっています。
湯釜のドローン動画がありましたので貼っておきます。
どうせなら、草津温泉か万座温泉に泊まるのが吉
本白根山にのぼったあとはやっぱり温泉です。
この本白根山は我が国の三大温泉の1つの草津温泉と、硫黄成分の含有量が日本一の万座温泉の間にそびえています。
温泉街を楽しみたいのなら草津温泉で決まりですが、温泉のお湯そのものを堪能したいのなら万座温泉です。
草津温泉の標高は約1200mですが、一方の万座温泉は海抜1,800mの高地にあり、ポテチの袋がパンパンになるほどの気圧の低さで、この気圧の低さが人間の心拍数が変化させ、血のめぐりを良くすると言われています。
さらに、万座温泉の源泉は硫黄泉で、約80度の高温のお湯が自噴しています。湧出量は1日になんと540万リットル。
気圧の低さで血のめぐりが良くなったカラダで、キョーレツな硫化水素臭を楽しむことができます。
世界最強の温泉と言っても過言ではないかもしれません。
我々は、万座温泉の格安の部屋に泊まってみました。
その記録はこちらです(↓)
-
本白根山に登って万座温泉日進館のゆけむり館に泊まって硫化水素三昧
バブルのころ。 「私をスキーに連れてって」とゆー映画があったんである。 ホイチョイ・プロダクション原作で、原田知世と三上博史が出演していた。 21世紀のいま見返してみると、 ...